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ハンドドリップがまずい!失敗例と美味しくなる抽出の基本とをご紹介

入れ方のコツ

ハンドドリップでコーヒーを入れても、お店で飲むものとはどこか違う、あまりおいしくない…と感じてしまうのは、正しい手順でドリップしていない場合がほとんどです。
抽出の基本さえ押さえておけば、誰でもおいしいコーヒーを作れるのがハンドドリップの良いところ。正しい入れ方と見落としがちなポイント、失敗例もご紹介するので、ご自身の入れ方と比べてみてください。

おいしいコーヒーをつくるには、まずお湯を準備して器具を温めましょう。器具が温まっていないと抽出の過程でコーヒーが冷めてしまい、雑味を感じやすくなります。
キンキンに冷えたジョッキでビールを飲むと一層おいしく感じるように、ドリッパーやマグカップを事前に温めることでコーヒーのおいしさが際立つのです。

コーヒーの抽出に最適な温度は90℃ほど。沸騰したお湯はコーヒーの抽出には少々熱すぎるため、できれば90℃のお湯をコーヒーポットに用意してください。温度計がない方は、沸騰したお湯をコーヒーポットに移し、約1/3の量を器具にかけて温めてからコーヒーポットに戻すと90℃くらいに下がり、抽出に最適な温度となります。

器具を温めたら、次はコーヒーの粉を蒸らします。
ドリッパーの中に空洞があったり、粉が片寄っていると成分が均一に出てこないため、コーヒーの粉をドリッパーに入れたらトントンと叩き粉を平らにしましょう。そして、中央から外側へ、円を描くようにお湯を注ぎます。

お湯をかける範囲は、ペーパーフィルターにお湯が直接触れない程度がベストです。ペーパーフィルターまで濡らすと空気の通り道がなくなってしまいます。そもそもドリッパーに凹凸があるのも、空気の通り道を作るため。ポタポタと数滴落ちるくらいの湯量で20~40秒ほど蒸らしてください。
湯量の目安は、粉と同じ重さから倍程度。例えば粉15gで1杯のコーヒーを入れるなら、15~30ccで蒸らしましょう。

蒸らしている最中にコーヒーの粉が膨らむ場合と膨らまない場合があります。
ドーム状に膨んだ場合は、ぽこっとガスが抜けるか、写真のように表面がキラキラして少しガスが抜けているように感じたら蒸らしは終了。ガスが抜ける感じがわからなければ、膨らみが落ち着いて一呼吸おけばOKです。
一膨らまない場合は20秒ほど経過した時点で蒸らしを終えましょう。
膨らまない理由は浅煎りや極深煎りだったり、焙煎から日数が経ち鮮度が落ちていたり、粉に挽いてある状態で買っているなど様々。豆や粉の状態は日々変わるので、仮に前回と膨み具合が違ってもそれほど気にする必要はありません。

蒸らしが終わったら、いよいよ抽出。
蒸らす時と同じように、中央から外側へ円を描きながらお湯を注いでください。中心から500円玉くらいの大きさまで少しずつ広げていくイメージです。粉がドーム状に膨らんでいれば、ドームが崩れないように意識しましょう。また、蒸らし終わった高さから粉が低くならないタイミングでお湯を継ぎ足しましょう。

目安の量を抽出できたらドリッパーを外します。

これで、いままでよりもちょっとおいしいコーヒーが出来上がったはず。

ただ、好きな豆で焙煎や挽き加減もばっちり、粉やお湯の量も合っている。それなのに好みの味にならない…という時は、以下のことに気を付けてください。

・苦い
焙煎度によって適温が少し変わるため、いまの粉にはお湯の温度が高いかもしれません。温度を調節してみましょう。また、抽出中にお湯の継ぎ足しが遅い場合も苦味が増すので、早めの継ぎ足しを意識してみてください。

・味が薄い
蒸らしのお湯が多いのでは。蒸らしに使うお湯の量を計り、調節してみましょう。ペーパーフィルターが濡れない程度を意識してください。

・酸味が強い
お湯の温度が少し低いかもしれません。また、お湯を注ぐ位置が高すぎる場合も、コーヒーの粉が暴れて酸味が出ることがあります。

他にも、こんなNGをしていませんか?

・ペーパーフィルターを折り忘れた
ペーパーフィルターは必ず折ってからドリッパーにセッティングします。折らずに使うとドリッパーにきちんとハマらず無駄な隙間ができ、蒸らしも抽出もうまくいきません。

・蒸らしいる最中にボコボコと何かが逆流している
湯量が多く、粉の中に空洞ができているのが原因です。ガスと一緒に空気が逆流しているため、湯量を減らしましょう。

抽出の基本を押さえておけば、自分好みの味に近づけるための微調整もしやすいはず。あまり難しく考えず、「こうすればおいしくなるんだ」と軽い気持ちで抽出を楽しんでください。

Written by

ユアサイドコーヒー ライター

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