コーヒー初心者がプロから学ぶ!コーヒー豆の保存方法

コーヒー豆のこと

前回・前々回で、コーヒー豆を専門店で買い、焙煎方法を学ぶという基本のステップをクリアした私。
今回は、豆の美味しさを少しでも長持ちさせる方法を教えていただきました。
自宅で美味しいコーヒーを飲むにあたって必要なことは何なのでしょうか?引き続き今回も「珈琲や 三鷹工房」さんにお話を伺います。

写真のコーヒー豆はお店で見せていただいたものですが、上から順に、深煎り、浅煎り、焙煎前の生豆となっています。焙煎編でも触れた通り、私たちが普段目にしているコーヒー豆の色は、生豆をじっくりと焼いたことにより生まれるものです。
コーヒー豆っていつ嗅いでもいい香りがするし、特に賞味期限も無さそうな感じがしませんか?
私はこれまで、お店によっては豆袋に賞味期限が書かれている場合もあるし、まぁその期間内に飲み切ったらいいかなぁくらいに思っていました。しかしこれは間違いで、オーナーの岩田さん曰く、時間が経った豆は「イヤな酸味や苦味の原因になる」とのこと。注目すべきは賞味期限ではなく、焙煎日だったのです。

コーヒー豆の元となるのは、コーヒーチェリーと呼ばれる果実。つまり農作物です。
その果実がこんがり焼き上がった状態は言わば調理済みの食材で、時間が経過すると共にどんどん酸化が進んでしまうそう。例えるなら、作った料理を何日も放置しながら少しずつ食べているといったイメージでしょうか。料理なら絶対にやらないことを、コーヒーでは平気でやっていたというわけですね。しかし、食べ物と違って、数回程度では使い切れないのがコーヒー豆の難しいところ。
ここで今回のテーマの登場です。
これまでの飲む頻度を変えることなく豆の酸化をできる限り遅らせるには、保存方法が鍵となります。

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※価格は異なる場合があります。

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税込¥2,640

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こちらはお店で見せていただいたガラス瓶・缶の保存容器で、どちらも密閉が可能です。焙煎後のコーヒー豆の酸化を防ぐには、なるべく空気に触れさせないことがベストだそうなので、まさにぴったりですね。
しかしもう1つ、直射日光にも注意が必要なのだとか。写真のような缶の保存容器ならこの辺りは既にクリアできているかと思いますが、ガラス瓶では難しいですよね。ガラス瓶はコーヒー豆以外の用途にも幅広く使えるので、それなら家にあるよ!という人が多い気がします。これがダメとなると、やっぱり専用の容器を買うしかないんでしょうか。

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税込¥471

※価格は異なる場合があります。

岩田さん「ガラス瓶のまま冷凍庫に入れてもOKです」

目から鱗です。さらさらと瓶に詰め替えて、冷凍庫に入れるだけ。これだけでコーヒー豆が長持ちするなら、やらない手はないですよね。
ちなみに、冷凍庫よりも開け閉めの頻度が高い冷蔵庫では、温度差で容器内に水滴が出来る場合があるため、あまりおすすめはできないそうです。冷蔵庫にコーヒーかすを入れて消臭剤代わりに!という豆知識でもよく知られているとおり、コーヒーは臭いをよく吸収します。そういった意味でも、冷蔵庫よりも臭いの少ない冷凍庫が適しているそう。
また、食品は、冷凍してしまうと風味が落ちてしまうものもありますが、コーヒー豆の場合は焙煎の時点で水分が飛んでいるため、凍らせても味に支障がない上に、冷凍庫から出してすぐ使えるというのも嬉しい点です

さらに嬉しいことに、豆袋ごとフリーザーバッグに入れてもOKだそうです。これなら、家にガラス瓶がなくても安心です。袋のデザインを毎回見られる分、寧ろこっちの方が分かりやすいかもしれません。 ちなみに常温の場合、お店の袋のままなら数日以内、容器なら3週間以内を目安に飲み切るのがベストで、コーヒー豆よりも空気に触れる面積の多い粉の場合は、最初から冷凍庫に入れる方が良いそうです。
初めから全部冷凍したくない!という方には、すぐに飲み切れる分のみを常温保存して、残りは冷凍保存するというような方法もあります。

三鷹工房さんで購入したコーヒー豆の豆袋には銘柄と焙煎日が明記されていますが、酸化していない美味しいコーヒーを飲むには、この焙煎日の把握が重要です。
ガラス瓶やその他の容器に移す方法ではそれが分からなくなってしまうので、上の写真のようにメモしておくことをおすすめします。

「三鷹工房さんのような自家焙煎のお店=新鮮で美味しいコーヒー豆が買える」ことに間違いはないですが、自家焙煎を行っていないお店でも、コーヒー豆の管理をきちんとしているお店なら、焙煎されて間もない豆が並んでいることも多いそうです。焙煎日に注目しながら出来る限り新鮮なコーヒー豆を買って、密閉もしくは冷凍保存。これだけで自宅で飲むコーヒーの質が大きく変わることを学んだ結果、我が家の冷凍庫には、早速ジップロック入りの豆袋が加わりました。
身近にあるものを駆使して、自宅での「コーヒー活」をさらに楽しみましょう。

Written by

ユアサイドコーヒー ライター

翻訳家