焙煎士が選ぶ11月のコーヒー

コーヒー豆のこと

こんにちは。
11月になり、秋から冬へと日々変化していきますね。
天候は落ち着いて穏やかになり、寒さは増しても日中は心地よく過ごせます。
枯れ葉が日増しに増え、愛犬との散歩も、重ね着も楽しめる。
11月は私の大好きな月です。

この時期は旬の美味しいものがたくさん。
りんご、柿、無花果、かぼちゃ、キノコ、サツマイモ・・・。
旨味が詰まった季節の食材で作るフードやスイーツには、香ばしく旨味があるコーヒーが相性ぴったり。
食事中はもちろん、食後の余韻がより楽しめ、満足感もUPします。

そこで11月、私が自分用に焙煎するのは、華やかな中深煎りと、柔らかなビター感を楽しめる深煎りです。

イエメンモカ ナチュラル 中深煎り(シティロースト)

イエメンのモカは私がコーヒーに興味を持つきっかけになったコーヒーです。
私の店でイエメンは普段、ミディアムローストという浅煎りの焙煎をおすすめしています。
特徴は華やかさと上品な口当たり、心地よい明るさです。

今月、自分用に焙煎するイエメンは、落ち着きのある味わいを楽しみたいので、
シティローストという中深煎りにします。

中深煎りにすると、イエメンらしい華やかさを残しつつ、香ばしさと軽めのコク。
ビター感が一瞬、現れて消えます。
余韻は落ち着いたコーヒー感。午後遅い時間の柔らかい陽射しのように感じるこのコーヒーは、ほっとひと息したい時や、家族や友人と過ごす時間がぴったり。

一緒に楽しむなら、バター不使用、又はバター控えめなパンにします。
イエメンの上品さが行方不明にならないよう、バターよりも小麦や酵母の香りのパンと合わせます。

東京・代々木八幡のルヴァンの玄米のキッシュ

私は東京・代々木八幡のルヴァンの玄米のキッシュと合わせました。
玄米のキッシュの素朴でしっかりした味わいに、フレンチプレスのまろやかさがぴったり。

クロワッサンは酵母の香ばしさと、ざくっと食べ応えのある食感です。
クロワッサンだけで頂く時は、ペーパードリップかクレバードリッパーで抽出します。

ニカラグア ナチュラル 深煎り(フルシティロースト)

私の店では普段、浅煎りをおすすめしているお豆です。浅煎りでは柔らかで落ち着きがあり、シロップのような甘さ。 そして何か明るい土のような、干し草のような雰囲気を感じます。

深煎りにすると明るい印象から、木陰のような落ち着いた印象に変化し、甘さが増し、程よく柔らかめなビター感が楽しめます。
余韻がすっきりしているので、深煎りでも少し軽め。
そのため、ボディを強めにしたい時は、ゆっくり抽出します。

ミルクとの相性も抜群です。
まろやかさが増し、甘さは控えめですっきりした印象になります。

ニカラグアと合わせるのは、少し甘さのあるフルーツのケーキ。

鎌倉・日影茶屋の無花果のタルトとニカラグア

無花果の甘さとニカラグアの甘さがマッチ。
それぞれの風味を保ちながら、それぞれの上品さもきちんと感じられます。
日影茶屋の無花果のタルトは生地が柔らかめで全体が優しい味わいなので、すっきり抽出したペーパードリップと合わせて。

コーヒーおいしさの方程式

税込¥1,650

※価格は異なる場合があります。

なめらかめなビター感で落ち着いた印象のコーヒーなので、考え事をしたい時、お仕事、読書にもぴったりです。

※ナチュラルとウォッシュドについて
産地の隣に表示した、「ナチュラル」と「ウォッシュド」とは、コーヒーの実をコーヒー豆へする過程の製法のことです。

同じ地域や農園のコーヒーでもナチュラルとウォッシュドではだいぶ風味が変わります。
この説明は別の機会にお伝えしますね。

コーヒーを楽しむのにぴったりの季節です。
ぜひ、ご自宅でコーヒーを淹れてみて下さい。

Written by

ユアサイドコーヒー 編集長

焙煎士