それでもソトで飲むコーヒーは美味しいのよ

コーヒーのある暮らし

コーヒー片手に街に出よう!
コーヒー好きならば、誰しもがちょっとウキウキする台詞ではないだろうか。

ソトコーヒーって美味しいなあ。
いつの頃からか、外で飲むコーヒーが何とも美味しく感じられ、街を歩きながら、自然の中や公園を彷徨いながら、はたまた神社仏閣などを巡りながら、こんなところでコーヒーが飲めたらいいのになどと、とりとめもなく考えていた。

やがて猫と魔法のキッチンカーをとことこ走らせる。コーヒーをツールにきらきらした日常と非日常のはざまを行ったり来たり。

シングルオリジン、ハンドドリップ、スペシャルティ、サードウェーブ、フレーバーがどうとか、マウスフィールがこうとか、アシディティーだのアフターテイストだの…舌を噛みそうなことばをいろいろ並べてみたりみなかったり。
たかがコーヒーされどコーヒー。

とにかく美味しいコーヒーが飲みたい飲ませたい。
それもオソトで!とまあ、パッションだけで突き進む。

「アウトドアでもコーヒー」。これはコーヒー好きならば当然の成り行きなのである。それを証明するかのように、キャンプやアウトドア用品のお店にはコーヒー器具が無数に並ぶ。おしゃれなステンレスマグやハンディミル、ハンディタイプのエスプレッソマシンまである。お客様の中には、キッチンカーのカウンターでコーヒーを啜りながら「キャンプに行ったらパーコレーターで淹れるんだよね…」などと話し始めるツワモノもいらっしゃる。
そのパーコ何とかという器具を荷物に詰め込み、出かけて行ってまでコーヒーを淹れて飲もうという情熱。いったい何が彼にそこまでさせるのか。
おそらく、非日常の開放感を演出するツールとしてコーヒーはうってつけなのだ。

そんな非日常の開放感を演出すべく、ちっさなタイヤのキッチンカーはオモテに繰り出した。
はてさて、めまぐるしく展開する日本の四季の厳しさよ。
春は強風、夏は猛暑、秋は台風、冬は雪。近年はゲリラや竜巻まで登場する。
お天気に翻弄されるされまくる。いい日もあれば土砂降りも。
もはやパッションだけではどうにもならぬ。
行きつくところレット・イット・ビーの境地か、前向きな友人ならケ・セラ・セラと歌うだろう。

コーヒー片手に街に出るのも楽ではない。だが人というのは、多くは日常の隙間をほっこりで埋めたい生き物だ。
「日常の隙間をほっこりで埋めたい」族は、非日常の解放感が大好き。 コーヒー片手に街に出よう!と聞いてウキウキしてしまうのもそのせいだろう。

人生は出会いと別れのオンパレード。天の気をうかがいながら、それでもやはりソトで飲むコーヒーは美味しいのよ。
そしてそこに様々な出会いが交錯する。いろいろあるがやはりソトはいい。類は友、いやソトは友を呼ぶ。

至福の一杯、極上のコーヒータイム…人生を彩るものとして語られるコーヒー。
だが、とりわけソトコーヒーには自由の匂いがする。
ソトコーヒーをこれほど美味しくしているのは、あるいは人類が求めて止まない「自由」のエッセンスなのかも知れない。

今年は降ってわいたCOVID-19のため、世の中がリモート、オンラインへとシフトしている。それでもやはりライフ・イズ・リアル。出会う方々とリアルにゆるりと繋がっていたいと希う今日この頃だ。

さて今日のソトコーヒーは、エチオピア グジ ベンチネンカのホットで。

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